先日、LIXILの「インプラス」の設置工事を行いました。
設置の目的は、コールドドラフトの軽減です。
我が家はそれほど広くはない間取りなので、ダイニングテーブルをダイニングの腰窓に隣り合うように置いています。そのために、冬になり外気温が下がると、「窓」から冷たい風が流れてきます。テーブル面や足元で冷気を感じて、暖房の効果を減じてしまいます。
いわゆるコールドドラフトの影響を受けるです。
窓そのものは、「ペアマルチレイボーグ」というLow-eのペアガラスであり、断熱性そのも低くはないのですが、それでも、断熱材がきちんと入った外壁に比べると、どうしても、断熱性は劣ってしまいます。そこから外気の影響を受けるわけです。
ただし、我が家で使っている「ペアマルチレイボーグ」は遮熱性能を考慮したものなので、断熱向きのものではありませんし、窓枠がアルミの「デュオPG」であり、木製や樹脂製のサッシに比べると大幅に断熱性に劣ります。
その影響を少しでも改善するために、冒頭で記したとおり、「インプラス」を導入したわけです。
インプラスの導入は、昨年入居してすぐの冬から考えてはいたものです。
コールドドラフトによる寒さ対策や、近くの鉄道線路の騒音、楽器演奏の音漏れ対策として・・・
とりあえずは一冬過ごしてみようかということと、二重サッシになることによる窓開けの手間、どんなガラスを入れたらよいのか、その効果や価格が良くわからないので継続調査することに・・・
季節が巡り、また冬が来てやはり、ダイニングでコールドドラフトにより手足が寒いということになったので、新宿にあるショールームへ実物を見に行き、検討することにしました。
ショールームの「断熱体感ルーム」や「サッシ実験コーナー」で、断熱や遮音の効果を確かめました。
「デュオPG」と「ペアマルチレイボーグ」の窓に「インプラス」をつけるとしたら、どんな種類のガラスを入れればよいのかを相談してみました。既にペアガラスが入っているのだから、「フロート単板ガラス」で十分に断熱効果を発揮するとの回答を頂きました。
ペアガラス等の高機能なガラスさらに入れなければならないのであれば、導入価格が高くなるなぁと、漠然と考えていましたので、「フロート単板ガラス」で効果が出るとのことなので導入を前向きに考え、見積もりをしてもらうべく、工事業者を紹介していただきました。
(インターネットで格安業者を探せば、55%OFF みたいなところもありますが・・・採寸は自分で行うといったところが多いので、採寸も行ってもらえるLIXILの指定工事店で行うこととしました。)
LIXILの指定工事店からの連絡は速やかに来て、平日の夜に採寸を行うこととしました。
ダイニング・リビング・和室の3室の4つの窓を対象とします。この3室は空間的には繋がっているので、同時に「インプラス」の設置を行った方が効果出るはずです。
採寸には1時間もかかりませんでした。実作業は30分ほどだったでしょうか。
きちんと採寸していただくことによって、「インプラス」の設置にあたっては、外窓のクレセント錠との取り合いは微妙(拡大写真)ではあるが、特にふかし枠を取り付ける必要もないことがわかりました。
また、シェード(上下式のカーテン)も、設置後の「インプラス」が既存窓枠よりはみ出すことがないので、移動したりする必要もありませんでした。
この後の見積もり提出・契約までは順調に進み、早かったのですが、年末を控えて工事の件数が多いらしく、年を越えて1月中旬の取り付け工事となりました。
工事は、本当にあっという間の1時間で終わりました。4つの窓に「インプラス」を取り付けたのに…
ふかし枠を取り付けたり、掃出しの窓であれば、ガラスも大きく重いので、CMのように1箇所1時間程度かかることもあるとのことでした。
作業中の写真と、取り付け前後の窓枠付近の写真を下記に掲載します。(撮影の角度が違うのはご容赦を)
取り付け作業風景 | 取り付け前の窓 | 取り付け後の窓 |
さて、肝心の効果ですが、体感としては「足元に冷気を感じずに暖かくなった」という感じです。
ダイニングテーブルでのコールドドラフトによる冷気は感じなくなりました。窓側に座っても暖かいです。
また、部屋全体の保温・断熱性もよくなったようで、暖房なしに12時間経過しても、5度ほどしか温度の低下がありません。以前は7度程度の低下がありましたので、2度ほどの改善です。
線路から聞こえる電車の通過音も低くなったような気がします。
感覚的な話だけではなく、温度計でその効果を確かめてみることにします。
外気が約6度の時、室内の窓際で19度を保っています。(写真はありませんが部屋の中央では約20度です)
従来の「デュオPG」と「ペアマルチレイボーグ」の窓だけだと、13度になります。
この結果を見る限り、ショールームでの相談のとおり、「インプラス」に使用する窓はフロート単板ガラス(5mm)で十分に効果を発揮しているようです。
なお、ペアガラスを使用する場合、我が家の窓のサイズでは1箇所あたり15000円ほどを上乗せする必要があります。
室内 19.0度 | 外窓とインプラスの間 13.0度 (従来の窓際の温度) |
外気 6.0度 |
あわせて、防音の効果も検証してみます。
体感としては、電車通過時にはテレビの音が聞きづらかったのが、支障なく聞こえるようになりました。
なお、「音」も「温度」同じで目には見えないので、iPhoneのアプリであるVUMeterを使って可視化してみました。正確な騒音計ではありませんので、相対的な音の変化を見てください。
外窓もインプラスを開けている時の電車通過音 最大では70デシベル程度 (後半の山は画面キャプチャーでホームボタンを押した時のもの) |
インプラスを開けている時の電車通過音 最大では60デシベル程度 (後半の山は画面キャプチャーでホームボタンを押した時のもの) |
インプラスを閉めている時の電車通過音 最大では50デシベル程度 (後半の山は画面キャプチャーでホームボタンを押した時のもの) |
インプラスを閉めている時の室内の平常音 30デシベルちょっとが平均 (後半の山は画面キャプチャーでホームボタンを押した時のもの) |
インプラスも外窓も開いた状態での電車の通過音は、70デシベルほど。「騒々しい事務所の中・騒々しい街頭
」に相当します。
外窓だけを閉めた状態での電車の通過音は、60デシベルほど。「静かな乗用車・普通の会話」に相当します。
インプラスも外窓も閉めた状態での電車の通過音は、50デシベルほど。「静かな事務所に相当します。
インプラスも外窓も閉めた状態での通常の音は、30デシベルを少し超えるくらい。「郊外の深夜・ささやき声」に相当します。
(なお、外窓だけを閉めた状態での通常の音は、40デシベルほど。「市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼
」に相当します。)
「インプラス」を取り付けたことにより、10デシベルほどの騒音が軽減されています。
「音は、10デシベル下がると約半分に感じられる。」と色々なところで説明されますので、大きな効果があったことがこの結果からわかります。
コールドドラフトとは
室内の暖かい空気が外気によって冷やされたガラス面等に触れることで、冷やされて、窓・壁沿いに降下して、足元に広がり冷感を感じること。
24時間換気の給気口から直接冷たい外気が入ることでも発生する。
アルミ枠と樹脂複合枠によるコールドドラフトの差の説明
「Chin'n house」より「インプラス」
ページの前半で、アルミ枠と樹脂複合枠によるコールドドラフト発生がどのように違うのかが、図入りで分かりやすく解説されています。
ぜひこちらのページをご覧ください。