徒然なるままに 11年04月03日

PRS-650(B) SONY Reader Touch Edition 購入

 SONY Readerは、E-inkを採用した読書専用端末です。2011.02.04に購入しました。
 類似の端末としては、amazonのkindle(日本未発売)、AppleのiPad、sharpのGALAPAGOS 等があります。(機能比較は後述)
 いつもの通りいろいろと機能比較をして、購入機種を選択しました。


 今回の購入目的としては、主に「自炊」したコミックの閲覧、青空文庫等に掲載された掲載の小説を「手軽」に読むことです。
 また、本棚に入りきらなくなっている「4コマ」漫画を中心に「自炊」して省スペース化を図っていくことも目的です。


 SONY Readerは、本来であればSony 公式ストアである Reader Store から、新刊等を購入して、SONY Readerに転送して読むという、スタイルをとっています。
 しかしながら、現状のストアの品揃えやジャンル分け、書籍の見せ方は、まったく使い物にならないレベルです…
 そのため私の利用目的としては、先述のように「自炊」が主になり、外部メディアが使えることは必須であると判断して、メモリスティックDuoとmicroSDHCカードが同時に使うことの出来る「PRS-650 SONY Reader Touch Edition」を選択することになりました。
 持ち歩きを考えると、同時発売の「PRS-350 SONY Reader Pocket Edition」の方が小さくてよいのですが、「自炊」したコミックの閲覧では少々画面サイズが小さく、セリフが読めなくなってしまいます。

自炊とは
自己の所有する書籍を、主にドキュメントスキャナにより電子化すること。
ドキュメントスキャナーを利用するために、本の背を断裁してしまうので、保存する書籍には行えない。(フラッドヘッドスキャナーを利用して行うことも出来るが・・・手間がかかる)
利用目的に応じて、JPEG、BMP、PDF等の形式で保存。

<機能比較>

機種 Apple iPad Apple iPad2 sharp GALAPAGOS
EB-WX1GJ-B
SONY PRS-350 SONY PRS-650
価格     54,800円 20,000円前後 25,000円前後
画面サイズ 9.7インチ 10.8インチ 5インチ 6インチ
画面解像度 1024*768 1366*800 800*600
画面特徴 マルチタッチ対応
カラー、HD解像度
マルチタッチ対応
カラー、HD解像度
16階調のグレースケールのE Ink Pearl
コントラストが高く、目が疲れにくい
タッチ対応
重量 680g(Wi-Fi) 601g(Wi-Fi) 765g 155g 215g
サイズ 189.7*242.8*13.4mm 189.7*242.8*8.8mm 177*286*14.7mm 104.6*145.4*9.2mm 118.8*168*9.6mm
利用時間 10時間 約10000ページの画面書き換え
内蔵メモリ 16GB / 32GB / 64GB - 2GB
外部メディア -
64GBなら不便はない?
microSDカード - メモリースティックPROデュオ、SDメモリーカード
外部との通信・接続 Wi-Fi、3G、30ピンDockコネクタ Wi-Fi、マイクロUSB マイクロUSB
主なメーカー想定の使い方 Web閲覧、ドキュメント参照、ゲーム、映像鑑賞等(?) 新聞・雑誌・本の閲覧(自動配信) SONYストアーからの書籍・新聞記事などの購入
PCで購入し、転送
主な私の想定の使い方 自炊した書籍を、保存し利用
Web閲覧、メール
自炊した書籍を、外部メディアに保存し利用
Web閲覧、メール
自炊した書籍を、(外部メディアに)保存し利用
ChainLPMeTilTranにより適宜最適化(主にBBeB(lrf)化)
対応するフォーマット PDF、ePub2.0、text、zip(jpeg)等多数 XMDF2.0、PDF、text、青空文庫形式
画像ファイルは要変換
XMDF、ePub2.0、PDF、BBeB(lrf)、text、JPEG、GIF、PNG、BMP、.book
(ePub(日本語・非規格)や.BOOK、zip(jpeg)に対応して欲しい…)
XMDF、ePub2.0、PDF、BBeB(lrf)、text、JPEG、GIF、PNG、BMP、.book、MP3、AAC(非DRM)
(ePub(日本語・非規格)や.BOOK、zip(jpeg)に対応して欲しい…)
マーカー・書き込み ソフトによる マーキング ブックマーク、自由線、テキスト
辞書 追加可能 明鏡国語辞典MX、ジーニアス英和MX、ジーニアス和英MX 英和辞典「ジーニアス英和辞典 第四版」
英英辞典「New Oxford American Dictionary Second Edition」
コメント iPod touchも使用しているので、電子書籍以外の用途が被ること、とにかく重いことが選定外の理由となった 重いことが選定外の主な理由
閲覧できる形式も中途半端である
外部メディアが使えて、利用時間が長く、軽いことが選定の理由
将来解像度が高くなり、ePub、XMDF2.0に対応することを希望

<使用してみての感想>

 販売している電子書籍の数がまだまだ少なかったり、紙媒体とほぼ同じ値段だったりして、「購入」したものは少ないのですが、「自炊」は順調に進み、いろいろな本を楽しんでいます。
 「青空文庫」収録の書籍を、どこでも快適に読める媒体がようやく出たという感じがします。
 どんどん、SONY PRS-650で読める書籍が増えていくことを期待しています…

 かなりの冊数(2〜300)を保存して、コレクションや、ブックマークを繰り返していると、ハングアップに遭遇する確率が上がるようです。
たまに、cache.xml を削除して作り直すと、良いようです。
 今では、700冊を超えても、ハングアップしていません。

 本体でUSB 2.0接続した場合の転送速度と、自作 3号機の内蔵カードリーダー(USB3.0、Class4のmicroSD)経由での転送速度を比べると、3倍近い速度の差があるようです。SONY PRS-650を使い大量の書籍を一度に扱うときには、内蔵カードリーダーを使用したほうが良いようです。
   USB接続         : 3.8MB/S
   カードリーダー(USB3.0): 10.9MB/S
   カードリーダー(USB2.0): 6MB/S(参考値、Class4のmicroSD)

 「books」フォルダーに書籍をさらにシリーズや作家ごとに分けて保存をしていますが、このフォルダー構成を、「コレクション」にしてくれる機能またはソフトを希望しています…
(「prs-recollect」というソフトが、望みの機能を持っているようですが、うちの環境ではうまく動きませんでした。)

 ホーム画面中段に表示される3冊は、ファイルのタイムスタンプを見て新しいものから順に3冊を表示させているようなので、タイムスタンプをパソコン側で操作したうえで、転送することで固定的に表示させることができます。
 メモ用の白紙ページのファイルなどを表示させています。

 (’11.05.09追記)

<補足>

 6月下旬に、待望のファームウェアとPC用ソフトウェアの Update がありました。
 「.book」形式の対応とのことです。読める電子書籍のフォーマットが広がると言うのは、とりあえずはよいことです。
 合わせて講談社が書籍の提供を始め、漫画も購入できるようになったようです。

 フォルダーのサポート(出来ればフォルダーは自動的にコレクションになるように)と、テキストファイルの縦書き表示と、フリーズ対策を次回の Update には期待をします。
 (’11.07.19追記)

<参考>

XMDF
シャープの開発した電子書籍フォーマット。
SONYストアーではDRM付きで販売されている。
パブリでは、DRMなしのものも販売されている。SONY Readerで閲覧可能
最近、一部の出版社は、XMDF形式の電子書籍の販売を中止した。
個人で、XMDF形式の電子書籍を作ることは出来ない。 GALAPAGOSは、XMDF2.0に対応している。
 
.BOOK
ボイジャー社の開発した電子書籍フォーマット
PC向けの電子書籍で利用され居ることが多い。
エキスパンドブックの後継規格である。
SONY Readerでは現状閲覧出来ない
 
BBeB(lrf)
SONYの「リブリエ」が採用していた電子書籍フォーマット。
SONY Readerで閲覧可能
ChainLP★で作成可能であり、私はコミックをSONY Readerで閲覧するために最適化する際に利用している。
 
ePub
米国の電子書籍標準化団体(IDPF)が推進するXMLベースのオープン規格
日本語対応(縦書き、ふり仮名、禁則等)に対応していない。
ePub3.0での日本語対応を目指して作業が進んでいる。
ePub3.0が規格化された際には、SONY Readerで対応することを期待している。
 
zip(jpeg)
PCのコッミクビュワーで採用されていたが、電子ブックリーダーでも使えるものが増えてきている。
ZIP圧縮したJPEG(以下ZIP/JPG)アーカイブ
Kindleが対応しています。iPadはソフト次第。
SONY Readerでは、ChainLPで変換が必要。
 
青空文庫形式
「青空文庫」で採用されている、ふり仮名(ルビ)や入力者注の表現を実現した形式。
挿絵は含まれないが、拡張して挿絵表示や縦書き表示を実現したビュワーもある。挿絵(画像ファイル)と本文を一体として扱えるように、zip形式で圧縮したものも多く使われている。
 

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最終更新日:2011/05/10 20:33:07作成者:高橋 秀雄 hd5h−tkhs @ asahi−net.or.jp
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