今年に入ってから調子の悪くなった、DVD/CD・チューナー付きAVアンプ「ONKYO DR-2000(S)」を、「marantz SR6004」に更新しました。
CDやDVDディスクの読み取りエラーや、スピーカーへの出力に「プッチ」とか「ブツ」というノイズが時折のるようになり、春先から更新を具体的に検討していたものです。
DR-2000は、AVアンプ単独でDVD/CD再生が出来るなど便利な機能を搭載した機種でしたが、型番のとおり2000年に発売された製品であるために、最近では再生できないDVD/CDも多くなったこと、製造終了後10年近くたち、性能(維持)部品の保障期間を過ぎ、ONKYOでは修理不能である可能性が高いとの話もあり、思い切って買い替え・更新を行いました。
現在では、DR-2000と同等の機能を持つAVアンプは存在せず、AVラックへの収納性、所有の機器との接続方法・使い勝手、将来対応を考え、次のような条件で、候補機種を探してみることとしました。
この中でも大きさの制約は、手持ちのAVラックに収めるための絶対条件なので譲ることができず、ミドルクラス以上の多くの機種がこの段階で落ちてしまいます。
このため、条件を満たすのがかなり難しくなったのですが、いろいろな雑誌記事や、ネットでの評判、店頭での説明や視聴を通じて、標題の機種を選定しました。
marantz SR6004の詳しい仕様については、下記の表やmarantzのページをご覧ください。
入出力端子 | HDMI | 入力/出力(Ver. 1.3a) | 4/2 |
コンポーネント | 入力/出力 | 3/1(モニター出力/ZONE A切替) | |
S映像 | 入力 | 1(前面) | |
コンポジット | 入力 | 5(前面1、背面4) | |
出力 | 2(モニター出力 x 1、REC OUT x 1) | ||
同軸デジタル | 入力 | 2 | |
光デジタル | 入力 | 4(前面x 1、背面x 3) | |
出力 | 1(REC OUT/ZONE B切替) | ||
アナログ音声(ステレオ) | 入力 | 7(前面x 1、背面x 6) | |
出力 | 2 | ||
アナログ音声入力 (7.1ch) | 1 | ||
M-XPort(Bluetoothレシーバー用接続端子) | 1 | ||
マルチゾーン出力 | コンポーネント | 1(ZONE A / モニター出力と切替) | |
光デジタル出力 | 1(ZONE B/REC OUTと切替) | ||
スピーカー出力 | 1(ZONE A/サラウンドバックと切替) | ||
オーディオ部 | 定格出力(8Ω/20Hz - 20kHz/0.08%THD) | フロント L/R | 110W x 2 |
センター | 110W | ||
サラウンド L/R | 110W x 2 | ||
サラウンドバック L/R | 110W x 2 | ||
周波数特性 | アナログ入力/ピュアダイレクト | 8Hz - 100kHz (±3dB) | |
デジタル入力/96kHz PCM | 8Hz -45kHz (±3dB) | ||
入力感度/入力インピーダンス | 180mV/47kΩ | ||
S/N比(アナログ入力/ピュアダイレクト) | 105dB | ||
ビデオ部 | 信号方式 | NTSC | |
入出力電圧/インピーダンス | 1.0 Vp-p/ 75Ω | ||
S/N比 | 60dB | ||
映像周波数特性 | コンポーネント | 5 Hz 〜 80 MHz (-1dB) | |
コンポジット | 5 Hz 〜 8 MHz (-1dB) | ||
FMチューナー部 | 周波数範囲 | 76.0 - 90.0MHz | |
AMチューナー部 | 周波数範囲 | 531 - 1602 kHz | |
最大消費電力(電気用品安全法) | 650W | ||
待機時消費電力 | (ノーマル)/(エコノミー) | 0.7 W / 0.4W | |
最大外形寸法 | 幅 | 440mm | |
高さ | 161mm | ||
奥行き | 389mm | ||
質量 | 12.7 kg |
購入した商品が届いたその日に、配線作業を行いましたが、SR6004はミドルクラス機の中でも端子数が多い機種であるため、バックパネルの余裕が少なく、ビデオ周りの接続にはコンポーネント端子を使用したこともあり、多少作業は大変でした。
マニュアルの説明が分かりづらいために、少々戸惑うところもありました。
配線作業後には、予め想定したとおりの操作で、選択したソース(BDレコーダやHDDレコーダやPC等)が正しく出力されているのかを確認します。
AVアンプ経由、レコーダ・テレビ直結等いろいろと確認する必要があります。今回、映像と音声をHDMIを使用しないでSR6004に接続したため、映像は出るけれども音がしないということが事象発生しました。
取扱説明書を良く見てみると「FUNCTIION INPUT SETUP」という機能で、セレクタの入力チャンネル毎に光デジタル、HDMI、コンポーネント、Video(RCA)に対してどの端子からの入力を割り当てるのかという設定項目がありました。
「BLU-RAY」には光デジタル(なし)、HDMI(1)、コンポーネント(1)、Video(1)という割り当てが初期状態でした。「BLU-RAY」の入力チャンネルには、光デジタル、コンポーネントで接続していますので、それぞれ接続の端末番号を設定します。光デジタル(1)、コンポーネント(1)にします。
これで、改めて確認を行うと、想定どおりの動作となります。
他の入力ソースも順次設定をしていきます。
この「BLU-RAY」という入力ソース名も、本体ディスプレイ上は変更することができます。
「CD/CDR」を「Win」、「DSS」を「Mac」等のように変更できます。
なお、リモコンについては、ボタンの表示はテプラ等で直しておいた方が混乱が少ないでしょう。
続いて、「SPEAKER SETUP」に入ります。
実はここまでにかなりの作業時間がかかってしまい夜の10時を回っていました。スピーカーの自動設定には、それなりに大きな音がしますので避けた方がよいかとも思いましたが、1ポイントだけ計測しました。
測定用のマイクをリスニングポイントに設置後、スピーカーの接続形態を設定して、測定開始。
スピーカーの数分の測定音が約30秒の間隔を置いて流れてきます。
自動計測された結果の確認を求められた後に音場補正設定の計算を行わせます。約5分くらいだったでしょうか。
ここまでで、一通りの設定作業終了となります。
予め配線については検討をしておいたのですが、ケーブルの取り回し、ラベル付けなどに時間を取られて結構疲れました。AVアンプの接続作業は、少なくとも半日ほどの作業時間を見ていた方がよいかと思います・・・
※「SPEAKER SETUP」に関しては、使い込んでから改めて自動計測をやり直し、好みになるように微調整を行いました。
作業を始める前に、何枚かのCDを以前のDR-2000で聞いておきました。
そして、SR6004の接続作業終了後同じCDを聞いてみます。
並行して切り替えながら視聴することは、配線の都合上出来ませんので、あくまでも記憶による比較と感想です。
ホルスト作曲 「惑星」から「木星」(カラヤン指揮、ベルリンフィル)
DR-20000 ベルリンフィルの演奏にしては、軽い感じに再生されます。金管の音が華やかです。SWからの低音がうまく出せていません。
SR6004 DR-2000よりも低音が綺麗に出ています。弦楽器の音が豊かになったような気がします。こちらも金管の音は華やかですが、より繊細な音が聞こえているようです。
本田美奈子 「惑星」から「木星」等
DR-2000 私の好きな透明感のある華やかなそれでいて作りすぎていない音が出ています。SR6004と比べると、低音域が出ていなかったのでしょうか?線が細い感じでした。
SR60044 本田さんの呼吸感が伝わります。また、定位感がしっかりと安定しているようです。他のメーカーと比べるとONKYOと同じようにあまり音を作っていないメーカーであるため、こちらも好みです。
PureDirectモードにすると、デジタル系の処理を停止するとともに、周波数フィルタ、ディレイ、トーンコントロール、ビデオ端子への出力、表示部も消灯して、処理回路の影響やノイズ源の低減が行われます。
音場補正も解除されますので、スピーカーのセッティングに影響されはしますが、いわゆる「ピュアオーディオ」モードでのアンプ動作となります。
これが結構効果があり、同じCDを聞いているとは思えないくらい、分解能が変わります。
(パソコンのサウンドボードを変えたときに思いましたが、アナログ回路近くのデジタル回路はノイズ発生源にしかならないようで、負荷などが変わったときに明らかに影響が出てきます。ホワイトノイズも出るし・・・)
オーディオの世界はブツ量(金額)の世界ですから、ハイエンド機、単機能機、純度の高いケーブル、反応の早いスピーカー等を惜しみなく投入すれば、どんどん世界が変わることは分かっています。自分の視聴スタイルや経済的負担に合わせた機器構成・使い勝手・音をどのように追求すれば良いのかというところで、いろいろなバランスを考えることになります。SR6004を使用することで画像・音声系はHDMIと光デジタルに集約することも可能でしたが、システム全体としての操作性を考え、画像系はコンポーネント接続、2chソースの機器はアナログ接続にと割り切りました。