徒然なるままに 02年07月24日

 今年も、帰省前に観光旅行をしています。
 今年の旅行先は、岩手・平泉周辺。自分で観光プランを立てて、交通手段を考えるのが大変なので、初めて「定期観光バス」を利用することにし増した。

 平泉まで行く途中でというか、その新幹線の車内での出来事。
 11時くらいになって、娘がお弁当などが入っている袋を自分であさりだした。「まい泉、まい泉が食べたいの」と言い出して、中身を出そうとしている。娘は「まい泉」の ひれカツサンドに目がないのである。すっかり、名前まで覚えてしまったようだ・・・

観光センター外観 12:44。定刻どおり一ノ関駅到着。駅自体は大きいのだが改札がひとつしかないので迷わずに駅を出て、定期観光バスの乗り場まで行くことが出来た。
 しかし、定期観光バスのチケットを買うために「観光センター」へ行かなければならないのだが、バスが止まっていなければちょっと気がつかなかったかもしてない。ビルの1Fにちまっと入っている。写真を見てもらえばその様子が分かると思う。
 本当に小さなところで、隣がパチンコ屋だったのでそっちのほうが目立っていた・・・

 今回の定期観光バスは、岩手県交通の「義経コース」である。1日に3便出ていており、13時発の三番目の便を利用した。ちなみに大人3400円で、入園料等込みである。
 平日ということもあるのだろうが、わずかに2組の客のみで定期観光バスは出発した。
 一ノ関駅を出て、平泉駅を経由し、藤原氏の旧跡を左右に見ながら、中尊寺へと向かっていく。

杉並木 「中尊寺」は、私の思い込みとは違って、山の上に位置をしていた。山間の谷間にあると思っていたのである・・・
本堂までは560m、金堂までは800mをバスが止まった駐車場から参道を登りながら歩いていくのである。結構急な坂道で疲れました。
 道の両側には立派な杉並木や、もみじなどが植わっており、秋口には燃えるような風景を楽しむことが出来るであろうことが予想される。

「金堂」は撮影禁止である。であるため、残念ながら撮影した写真を掲載することが出来ない・・・。金堂そのものは、京都の金閣寺のように屋外にそのまま建っているのではなく、覆堂(別の建物)の内側に建てられている。そのため、漆を塗った布に塗られた金粉は綺麗な輝きを保ったままである。
 「金」そのものも大変綺麗で荘厳な金堂だが、その内部は、黒い漆塗りに白く輝く螺鈿(らでん)の輝きがまた特に綺麗であった。
 順路を進んでいくと、旧覆堂も残っており、その内部を見ることが出来る。この旧覆堂は、正応元年(1288年)に建てられたもので、昭和38年の新覆堂建設までの間、風雪から金堂を守ったものである。松尾芭蕉などもこの旧覆堂に入り、薄明の中、金堂を望んだはずである。
 金堂からバスまでの帰り道は、今度は下り坂である。意外に急な坂道に、先ほどは良く登ってきたものだと感心しつつ降りていった。

 「毛越寺」(もうつうじ)は、慈覚大師円仁によって開かれた広大な庭園を持つ寺院である。金堂等は焼失してしまっており、現在では見ることが出来ないが、その広大な庭園(QuickTime パノラマ)を見るだけでも当時の栄華を偲ぶことが出来るほどのものである。
 また、「曲水の宴」を行った鑓水も残っており、平安時代の遺跡としては日本で唯一のものとのこと・・・

 パノラマ画像のほぼ中央部にある池中の島を経由してさらに奥にあった金堂円隆寺に向かって橋が当時はかかっていたそうである。円隆寺は、藤原基衡が建立した寺で、「吾妻鏡」では、「吾朝無双(わがちょうむそう)」と称えられるほどに贅を尽くして立てられた建物であったそうである。
毛越寺 庭園全景

 境内には、宝物殿などもあり時間が十分にあればもう少し見ることが出来たと思うのだが、定期観光バスということで、時間が決められており、今回はパスである。もっとも、娘も飽きていたようではあるのだが・・・

 達谷窟(たっこくのいわや)は、蝦夷(えぞ)の頭 惡路王(あくろおう)が、根城として良民を苦しめたところといわれ、延暦20年(801年)に坂上田村麻呂が激戦の末に征伐しました。
坂上田村麻呂は、戦勝は毘沙門天の加護によるものと思い、京都の清水の舞台造りを模して108体の毘沙門天を祀ったところです。
 達谷窟を現在管理している、別當寺(達谷西光寺)の人に案内をしてもらいつつの見学で、滞在時間はわずかに15分。あっというまの訪問であった・・・

 定期観光バスは最後の見学先である「厳美渓」へと向かう。
私たちは厳美渓に宿をとっているので、ここで定期観光バスとはお別れである。定期観光バスの半券部分をとっておくと、路線バスで使うことができるということをバスガイドさんに教えてもらった。たしかに、定期観光バスに乗ったままであれば、一ノ関駅までいくし、明日は厳美渓から一ノ関に行くのだから、使えると非常にありがたい。

 厳美渓では、定期観光バスは、サハラガラスパーク隣についた。結構派手めな観光地にありがちの建物である。厳美渓についたのが、16:30。もう結構いい時間なので、見学はせずに「天工橋」を渡り、厳美渓を見つつ、今夜の宿泊先である「いつくし園」へと歩いていく。
 バスガイドさんには20分くらいといわれたのだが、10分強というところである。途中、田んぼのあぜ道のような近道を通ってなのだが・・・

 本日の宿は「いつくし園」である。いつもならば旅行代理店を通して手配することが多いのだが、厳美渓の情報を探していてWebサーフィンをしていると「黄金王国記念プラン」なるものが目に留まり、安くて、料理も良さそうだったので、Web上から予約。
 質問等への対応は非常によく、宿泊後にはお礼のメールもいただきました。

 さて、「黄金王国記念プラン」の夕食ですが、写真を見てもらうと分かるとおりのものです。結構種類もボリュームもあり、味もとてもよく大満足というものでした。これで、一泊二日二食付で大人11,000円は安いというものです。
 ちなみに4歳児は大人のの50%で、夕食はこちら。なかなか盛りだくさんでした。
お布団もきちんと一人分ひいてもらえました。

 そうそう、肝心のことがもうひとつ。
 厳美渓は「温泉」です。泉質はナトリウム-塩化物温泉でした。源泉の温度は40度(気温零度時)とのことですから、ほぼそのままの温度で湯船に入ってきていると思います。
 東北の祭りシーズン前の平日だったので、広い浴場を独り占めできました。桧作りの露天風呂も今年の7月に完成したばかりで気持ちが良かったですよ。

参考:道の駅「厳美渓」

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最終更新日:2002.07.30 07:05:21作成者:高橋 秀雄 hd5h−tkhs @ asahi−net.or.jp
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